デジタル情報と活用
スキャニング結果は、その使用用途によって求められる品質、設定、処理工程が大きく異なります。なぜなら、スキャナーで得られる画像データはあくまで「デジタル情報」であり、その情報の活用方法次第で、必要とされる解像度、色調、ファイル形式、後処理の方法がまったく変わるからです。
今回は、使用用途によって変わるスキャニング結果についていくつかご紹介します。
出版・印刷・デザイン用途(ポスター・パンフレットの再利用など)
出版・印刷業界では、色や形の再現性が非常に重要です。印刷物を忠実にデジタル化し、再加工・印刷可能なデータとするために、次のような工夫がされます。
高解像度:600~1200dpiを使用。微細な文字や図案まで再現するため、高い解像度が求められる。
色:フルカラー(RGBまたはCMYK)。原稿の色味を正確に再現し、印刷に活かす必要がある。
ファイル形式:TIFFやPSDなど、劣化のない高品質な形式。JPEGのような圧縮形式は避けられる傾向。
補正処理:スキャン後に色補正、トーン調整、シャープネス処理などを施して、視覚的な品質をさらに高める。
このように、出版・印刷系では**「視覚的な再現性」**が最優先されるため、スキャニング作業には専門的な知識と高性能な機器が求められます。
CAD図面・設計図などのテクニカルスキャン
建築設計、製造業、土木工学などの分野では、紙の図面をスキャンしてデジタル化し、再利用や編集に備えることが一般的です。
解像度:300~400dpiで線の明瞭さを確保。線が細いため、ある程度の解像度が必要。
白黒2値スキャン:線画中心なので、カラーは不要。2値スキャンで線を際立たせ、ノイズも除去しやすくする。
ファイル形式:TIFF、PDF、あるいはDXFやDWG(ベクター形式に変換)。
ベクトル化処理:スキャン後にCADソフトで編集できるよう、画像からベクターに変換する作業が重要になる。
この分野では、図面としての正確性と編集可能性が最も重要です。印象やビジュアルよりも、線の正確な読み取りと寸法の保持が求められます。
OCR処理・テキスト抽出のためのスキャン
新聞記事や歴史的文書などからテキスト情報を抽出したい場合、OCRに適したスキャンが求められます。
解像度:300~400dpi。低すぎると認識ミスが発生しやすい。
コントラスト:高めに設定し、背景と文字の境界をくっきりと。
ファイル形式:PDFやTIFFが多く、OCRソフトとの互換性を優先。
フォントやレイアウトに配慮:手書きや崩し字は誤認識されやすく、認識精度に影響する。
この場合のスキャニング結果は「見栄え」ではなく、いかに正確にテキストを取り出せるかが評価基準になります。
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